日本シリーズが終わり「今シーズンも終わったな」と思いきや、まだまだ落ち着けないプロ野球ファンの方も多いことでしょう。
戦力外通告を受けた選手、引退を決意した選手、再起をかけてトライアウトを受ける選手が、FA宣言する選手・そのまま移籍してしまう選手。
その中にひいきのチームの選手がいたら、気が気じゃないですよね〜。
今回はニュースでたびたび目にする方も多いであろう「FA(FA宣言)」について、ざっくりと解説します。

なんとなーくこんな感じかなとイメージできたらうれしいです。
プロ野球選手って?

FAの話に入る前に、そもそもプロ野球選手って?という話をあえて書こうと思います。

いや、プロの野球選手ってことでしょ

野球をしてお金をもらっている人たちでしょ
そうです。そうなんです。
そうなんですけども、もうちょっとだけ…!
プロ野球選手ってこういう職業です。
- 営利を目的とする野球チーム(球団)と契約
- シーズン中の試合に出場して報酬を得る
- 報酬は年俸制
- 個人事業主(自営業)であり、球団の契約社員ではない
日本のプロ野球選手は、NPB(日本野球機構)の傘下にある12球団のどこかの選手ということになります。
そして彼らは、球団と契約しているけれどその球団の社員ではないわけです。個人事業主ですからね。
なんで、わざわざそんな話をするの?と思いますよね。
こういう事情があるっていうのを知っておくと、

そりゃあ年俸いくらもらえるかも大事だよな〜
とも思えるかもしれません。
プロ野球選手は、チームに所属するだけで勝手に年俸が増えるわけではありません。
試合で結果を出し、その球団の戦力とみなされることで年俸もアップしていくわけです。
結果を出すことで球団との交渉もしやすくなるかもしれません。
それが他球団から今よりいい条件(契約年数や年俸など、他にもあると思いますが)を提示されたら、移籍を考えるのも当然だと思います。
もちろん、ファンとしてはチームに残留してほしい気持ちもありますけどね…。
プロ野球の「FA(フリーエージェント)」とは

「FA」って見聞きするし口にしていますけど、「Free Agent(フリーエージェント)」の略です。
NPBが定める資格条件を満たした選手は、どの球団とも選手契約を結べる権利を得ることができます。
ちなみに、FAには「国内FA」と「海外FA」があります。
- 国内FA:NPB組織内の12球団でどの球団とも契約が可能
- 海外FA:国内外のどの球団とも契約が可能
それまで所属していた球団以外のチームと契約を結ぶことが可能になるわけです。
具体的な話があった方がイメージしやすいと思うので、いくつか例をあげてみます。

私はベイスターズファンなので、ベイスターズの話を例にしますね。
例はそれぞれパターンが異なります。
- FA宣言して、移籍
- FA権は取得したが、この権利を行使せず残留
- FA宣言したが、残留
【例1】2017年オフ:大和選手
大和選手は、2017年のオフにFA宣言。
阪神タイガースから横浜DeNAベイスターズに移籍しました。

大和は阪神時代から好きやったから、めっちゃうれしかったな〜!!
【例2】2019年オフ:伊藤光選手
伊藤光選手は、2019年にFA権を取得。
2018年のシーズン中に、オリックスバファローズからトレードで移籍してきた彼。
FA宣言してベイスターズを出てしまうのではないかという不安もありましたが、FA権を行使せずに残留を表明してくれました。
このときは、私も含め多くのベイスターズファンが大喜びでした。
【例3】2008年オフ:三浦大輔選手(現・監督)
2008年オフに三浦選手はFA宣言。
阪神タイガースへ移籍かと思われましたが、横浜に残ることを選びました。
多くのファンが残留を望み、また彼自身も「強いチームに勝って優勝したい」という思いがあったから。
そして彼は、2016年の引退するときまでずっと横浜一筋でした。

ベイスターズの象徴のようなお方です…!
そんな番長、2020年には横浜DeNAベイスターズの監督に就任しました。
FA権は「使う・使わない」も「移籍・残留」もある
3つの例を見ていただくとわかるように、FAの権利を取得したからといって全員が移籍するとは限りません。
あくまでも、プロ野球12球団どの球団とも契約が可能な権利を得るだけです。

それがすごいんですけどね〜!
- FA:どの球団とも選手契約を結べる権利のある選手
- FA宣言:今所属している球団から他の球団へ移籍したいという意思表示をすること
FAになる条件
なんとなくFAがどういうものかイメージできたところで、FAになるための条件について。
FA:どの球団とも選手契約を結べる権利のある選手

私も調べつつ書いております〜!難しい!
あんまり細かいことを書いてもあれなので、ざっくりいきましょう!
- 145日以上1軍登録されたシーズン=1シーズンとして計算
- 合計8シーズン達成→「国内FA」取得
- (2007年以降のドラフト入団した大学生・社会人選手は7シーズン)
- 合計9シーズン達成→「海外FA」取得
- 「国内FA」後、4シーズン達成→「海外FA」取得
- 145日に満たないシーズンは、満たないシーズンの登録日数を合算して145日に達したものを1シーズンとして計算
- 怪我などでの特別措置あり
ここでポイントなのが、1軍の試合に出場した日数ではないということ。
1軍の試合に出場する選手として登録された日数がカウントされます。
つまり、試合に出る出ない関係なく1軍出場選手であれば、その日はカウントされるということです。
(2軍にいる間はカウントされないってことですね)
たとえば、下の図。
1か月に27試合あったけど、1〜31日まで1軍登録されていたとします。

ここでのカウントは試合数の27日ではなく、31日になるというわけです。
- スタメン出場の選手
- 代打の切り札の選手
- 守備固めの選手
- ベンチにいる選手
- 中継ぎ・抑えの投手陣
皆さん、1軍にいる間は同じようにカウントされます。
プロ野球のシーズンは3月末から10月くらいまでで(CSは11月)6か月ちょっとくらい。
たとえば、3月31日から145日だと8月22日。
この日まで1軍出場選手登録されていたら、このシーズンは1シーズンとしてカウントされるわけですね。
8シーズンは最低でも必要なので、少なくとも8年はシーズンの1軍にい続けないとFA取得はできないことになります。

それってすごいことですよね…!8年も一線で活躍するなんて。
- FA取得には、8年以上1軍登録されている必要がある(ざっくり)
- キーワードは「145日=1シーズン」「8シーズン以上(海外は9シーズン)」
もっと詳しく知りたいという方は、わかりやすく解説しているブログ記事(「プロ野球のFA権の取得条件が分かりにくいので解説してみた。」)を見つけましたので、ぜひこちらを参考になさってください。
FA宣言
FA権を取得した選手。
その権利を行使するかしないかは、野球人生において大きな選択となることでしょう。
もちろん、ファンにとっても…!(贔屓選手ならなおのこと)
ここでは、FA権を取得した選手にはどういう選択肢があるのかをご紹介します。

ざっくりと書きますので、ざっくりとイメージしていただければ。
FA権を行使するかしないか
まずは、取得したFA権を行使するかしないかを決めなくてはなりません。
表明するタイミングは、期限が設けられています。
日本シリーズが終了した日の翌日から、土日祝をのぞいた7日間以内
FA権を行使しない(残留)場合、そのFA権は来年に持ちこしです。
FA権を行使する場合は「日本シリーズが終了した日の翌日から、土日祝をのぞいた7日間」の翌日に、「FA宣言選手」として公示されます。

2020年の場合、11月25日に日本シリーズが終了。12月5日に公示されています。
そして、公示された翌日から所属していた球団を含めて、交渉が可能になります。

出したくない例ですが、2020年はベイスターズから梶谷選手と井納選手が、交渉の末ジャイアンツへ移籍しました…出したくない例ですが…
FA宣言残留
FA権を持つ選手に対して、元々所属していた球団が「FA宣言残留を認める(FA宣言残留容認)」といったコメントを出すのをみたことありませんか?
これは、FA宣言して移籍しなかった場合、またその球団はあなたと契約しますよということです。
ベイスターズは(出したくない例ですが)梶谷選手・井納選手に対して、FA宣言残留を認めていました。
つまりお二人は、他の球団に行く選択肢とベイスターズに残る選択肢があったわけです。
もしFA宣言残留が認められていなかったら…移籍できない場合はどこにも所属する球団がないという状態になってしまいます。

ええ〜っ、それってめっちゃリスク高くない…?宣言する方も勇気いるなあ…自信も必要やねえ
移籍
移籍されてしまう球団のファンにとっては、ショックでしかない「移籍」

とは言え迎える側はうれしかったりするんですよね。大和選手や伊藤光選手がきてくれた時は大歓迎だったし。
残念ですが、移籍を選んだ選手の勝ち取った権利と選んだ道です。
さみしいけれど、我々ファンは受け入れるしかありませんね…。
・・・・・
NPBの公式サイトにもFAについて記載がありますので、ご参考までに。
あの選手はいつFA権を取得する?
FAがどういうものかわかってきたところで、こう思いませんでしたか?
私の好きなあの選手は、いつFA権を取得するんだろうって。
好きな選手はできたらひいき球団にい続けてほしい。
でもFAになるって、長い間1軍にいたという証でもあるからすごいこと。
気になりますよね〜
でも自分で日数計算とかするのは無理…!と思って検索したら、見つけました。
「プロ野球FAカウンター」を…!
このサイトで、あと何日1軍に登録されていたら取得することができるのかを確認できます。

すごいサイトですよね〜!すぐ嶺井選手を調べました。
気になる選手がいる方はぜひ、チェックしてみてください。
・・・・・
ここまでがFA権を取得し、FA宣言してから移籍決定までの話になります。

移籍して終わりじゃないの?

いえいえ、実はもうちょっと続きがあります。いい出会いもあったりするんです。
選手の移籍が決まったあと、さらに何があるのか。
このまま続けて書くと長くなってしまうので、また別の記事でご紹介したいと思います。
移籍はつらいけどFAとれるだけの選手ってすごいこと
「FA=長く1軍にいる選手」というのは、なんとなくイメージできたでしょうか?
プロ野球選手になること自体すごいことですが、せっかくプロ野球選手になれたとしても1軍に上がることなく引退する選手もいますし、怪我で現役を続けられなくなる選手もいます。
そんな中で、1軍の試合に出場できること。それが8年も9年も続けられていること。
すごいですよね。
もちろん長さだけですごい選手かどうかを決めることはできません。

私が好きだった大原慎司選手は7年でした。でも私は引退試合を号泣しながら観るくらい好きでした。
それでもやっぱり、FA取得した選手はすごいな〜って思いますよね。
長く頑張ってきた選手が勝ち取った権利。
移籍するのには色々な理由があるのでしょう。
条件や年俸、試合の出場機会、憧れの球団などなど…
一般人の私ですら、今より環境がよさそう・お給料がいい・通勤が楽・オフィスがきれいとか好条件あったら、転職したいなあって思うわけですから、プロ野球選手だって思ってもおかしくないですよね。
チームへの愛情だけではなかなか決められないことなんだと思います。
さみしいですけどね。
でもFA宣言できるくらいの選手が、自分の応援するチームから出てくることは喜ばしいこと。
新たなチャンスができた他の選手が活躍してくれたらいいなと思うことにします。
きっと球団にとっても、我々ファンにとっても、悪いことばっかりじゃないですよ。
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